「絵本からの多読と多聴」感想

今回は、新宿で開催された多読初心者向けの「絵本からの多読と多聴」
という講演を聞いてきたので、感想を書いてみました。
http://www.seg.co.jp/sss/seminar/index.html



講師は「100万語多読入門」などを書かれている古川昭夫さんです。

100万語多読入門【CD付き】

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参加者は15名程度でそのうちの半数の方が多読を
既に始められている方たちでした。


約1時間の講演で多読の概要や多読経験者のお話を聞くことができました。



この100万語という数字はリーディングの基礎を身に着けるのに必要な30万語程度から
語彙・文法の定着に必要な300万語程度までの過程でごろがよかったからだそうです。
そして、レベル2から3のあたりで100万語達成するのが理想だそうです。
多読をされているのは必要性の違いからか、学生よりも30代の方が多いとのことです。


講演会場の2Fには図書室があって、ブッククラブ会員になると、
ここで図書を貸し出してもらえるようです。
詳しくはこちらで紹介されています。
http://www.seg.co.jp/bookclub/index.html
本日は持ち出し禁止で5時まで開放されていました。



やはり、多読がすすめばすすむほど図書購入の費用も増加する傾向にあるそうです。
読むペースが軌道にのってきたり、一冊あたりの金額が高くなってきたら、
このようなクラブの利用を考えてみるのも一案かと思いました。



興味深かったのは
古川さんはもともとのご専門は数学だったそうで、昔、国際学会で発表した後、
古川さんを含む日本から参加した発表者数名が現地のスウェーデン人に
「きみたちでもわかる英語で話すから心配しないで」
と言われて頭にきたことが、多読普及の一因になったというお話です。
何事もきっかけって大事だなと思いました。



また、
What are you wating for!
という英文を見た時に、「あなたは何を待っているのですか?」
と頭の中で訳してしまいがちですが、そうではなくて、
「ぐずぐずしないで」や「早くして」のような表現であるということが
多読をすることでわかってくるんだそうです。
例えば天空の城ラピュタや中高生に人気のある日本漫画で出てくるようです。
こういう表現は受験英語だけやっているのでは身につかないんだよという
例で、とてもなるほどなと思いました。



それと日本漫画の中に出てくるドンドンドンやダダダダダーなどといった擬声語
昔は全部訳されていたのが、最近ではコスト面とそういった擬声語を日本語で知りたいという外国人が
増えてきたことで、そのまま表示されているんだそうです。
へぇ〜と、帰りに書店によって思わず確かめてしまいました。
今まで気がつきませんでしたが、たしかに日本語表示されていました。

Nodame Cantabile 4

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参加されていた多読経験者の方からは、行き・帰りの通勤時間(70分程度)を利用して、
100万語を一年程度で達成されたり、
もともと英語が得意だった方だと多読を始めて2ヶ月くらいで、
結構な厚さのペーパーブックをすらすら読みきることができて、
10ヶ月で100万語達成したという事例などを聞くことができました。


似たような話は本などでも見かけますが、
間近でこういうお話を聞けると自分もそうなりたいという意気込みが違ってくるので、
今回の参加はよい機会だったと思います。